2014年12月04日13時22分
■にっぽん日和 秋田 白神山地
秋田 白神山地
カメラ/渡邊春信 ライター/岩熊純子 デザイン/北川原由貴 プロダクションマネージャー/池田大作 スペシャルサンクス/あきた白神広域観光推進会議
白神山地の全体の面積は、秋田・青森県あわせて約13万ha。このうち人為的な影響をほとんど受けていない原生的なブナ林16,971haが、世界自然遺産に登録されています。
かつての鉱山跡地、太良峡(だいらきょう)の紅葉。ブナや秋田杉など樹種も豊富で、四季を通じて自然美が楽しめる。
落葉樹林帯の秘密
森が語りかける声を聞け
白神山地には、約3000万年前の植生に近い、豊かなブナ林が残されています。自然の神秘を体感できる希少な森を、山のプロに案内していただきました。
白神山地は東アジアで最大規模のブナ林です。日本のブナ林の多くは伐採されて、スギなどの人工林となりましたが、人の影響を受けずに大規模なブナの原生林が保たれたのが白神山地。それが1993年、屋久島と共に、日本で初めてユネスコ世界自然遺産に登録された理由です。
なぜブナの原生林が貴重なのか。ガイドをしてくださった白神自然アドバイザーの斎藤栄作美さんが教えてくれます。
「スギは自分が葉を伸ばした下にしか、根を張ることができません。だから地面を抑えることができません。一方ブナ林のような落葉樹林帯は、葉・花・実など、森の生物が食べるものの生産者であり、その腐葉土の中の微生物は、森の果実の分解者です。腐葉土で濾過された水は渓流となって、魚を育みます。そのような循環が、落葉樹林帯にはあるんです」
さらに紅葉を楽しませてくれるのも、落葉樹林帯の恵みです。
「今年は台風の直撃を受けず、虫の大発生もなかった。去年はブナの実が大豊作だったので今年は山がゆっくり休める年。こいつら(森)は『いい年だな』と、ものすごく喜んでいると思うんです。だから紅葉も、数十年に一度と言えるくらい美しいんです」と斎藤さん。
森の声を聞く秘訣は、四季それぞれに10日間くらい山を訪ねて、「歩いて食べて泊まる」を体感することだそうです。
山は生きている
「『おめえの生きる道は山だ。だから学校なんか行かなくてもいい』と親父に言われましてね」と語る白神自然アドバイザーの斎藤栄作美さん。名刺には秋田白神ガイド協会会長、日本自然保護協会会員、白神世界遺産巡視員……とずらり。数多くの山岳ガイドがいる中でも、ピカ一の知識を持つ「山の博士」です。上の写真は「ブナの木の幹には、雨水を集める『樹幹流』があり、これは雨のときにしか見られない」と説明する斎藤さん。「どんな山でもひと目で性質がわかるし、迷わない」という言葉に感服しました。
ほぼ毎日、山へ入るという斎藤さん。味噌汁を作りながら、山の恵みをいただく意味を教えてくれます。
岳岱(だけだい)自然観察教育林でお弁当をいただきました。味噌汁の具は舞茸と山菜(水ぶき)でした。
白神山地世界遺産センター藤里館を拠点に、ガイドや遭難捜索副隊長も務める斎藤さん。プロの道具が揃っています。
白神山地まいたけ
「白神の舞茸は、新鮮な香りと風雅な味が持ち味」と、まいたけセンターの小山牧子さん。白神山地の広葉樹原木を用い、菌床栽培した舞茸は、大きなもので500gあります。2株で1500円ほど。天ぷらや肉巻き、かき揚げで食べるのがおすすめだそうです。
白神山地 まいたけセンター
藤里町粕毛字清水岱7-14
白神まいたけキッシュ
藤里町の福祉の拠点となる「こみっと」では、白神まいたけキッシュ(100円)がいただけます。「一般企業と同等の品質のものを作りたい」と生活支援員の市川奈津子さん。社会福祉協議会のHPから注文できます。
藤里町社会福祉協議会
山本郡藤里町藤琴字三ツ谷脇 40
http://fujisato-shakyo.jp/
ホテルゆとりあ藤里
大館能代空港から車で30分、藤里町湯の沢温泉郷に「ホテルゆとりあ藤里」があります。支配人の白土延子さんは以前、東京で働いていましたが、「樹齢数百年のブナの木に触れたら感動した」と、この地に根を下ろしました。露天風呂と温泉プールのある宿泊施設です。
ホテルゆとりあ藤里
山本郡藤里町藤琴字上湯ノ沢1-2
秋田の人々が集うとき
美味なる料理を食しつつ
秋田の酒で乾杯!
秋田県では日本酒、地ビール、ワインなど「秋田の酒による乾杯を推進する条例」が定められています。それほど秋田の酒が旨いのは、まず自然の恩恵を受けた天然水があること。酒造りに適した米の開発や、県内の蔵元に眠っていた酵母を採取して純粋培養した酵母(秋田蔵付分離酵母)で造った純米酒シリーズを発売するなど、各蔵元と県酒造組合、そして県醸造試験場とが協力した取り組みをしているからです。
秋田の日本酒について「秋田地酒の伝道師」である浅野貞博さん(次ページ)が語ります。
「ウチは秋田県の蔵元の酒しか置いていません。しかも『話ができる』蔵元の酒を置いています。一時期は秋田の蔵も経営が厳しい時期がありました。しかし2010年に、蔵元の若手5人が『NEXT5』を結成し、革新的な酒造りを開始してから、全国の目が秋田の酒に集まってきました。秋田の酒蔵には、それぞれドラマがあるんです。ウチは酒を売るのではなく、蔵を売る酒屋だと思っています」
NEXT5は酒造りの主要工程を5人で分担して、リレー方式に、醸造を行う「共同醸造プロジェクト」にも取り組んでいます。メンバーの半数が東京で働いた経験を持ち、地元にUターンしたときに、日本酒業界の低迷に危機感を感じた人たちです。彼らが造る酒は、ラベルのデザインから味わいまで、従来の日本酒のイメージを覆すものもあります。秋田から突如躍り出た、サムライ蔵元たちの次なる挑戦に期待が高まります。
旧奥羽本線トンネルが
天然の貯蔵庫 喜久水
能代市鳥屋場の旧鶴形トンネルに、喜久水酒造の吟醸酒が眠っています。温度は13プラスマイナス2、3度の範囲、湿度は80%に、自然に保たれるトンネル内は、酒の貯蔵庫には最適なのです。
「父がドイツのワイン工場を見学したとき、同じ醸造酒である日本酒もトンネル地下で貯蔵したらいいのではないかと考えて、ずっとJRに交渉し続けてきたんです」と語るのは7代目の平澤喜一郎さん。トンネル地下貯蔵庫(地下貯蔵研究所)の見学は、喜久水酒造のHPから申し込みできます。
喜久水酒造
能代市万町6-37
http://kikusuisyuzo.com/
天洋酒店 浅野貞博さん
秋田の日本酒にこだわった酒屋さんは、足繁く蔵元に通い、酒と一緒に酒造りの物語を伝承します。「『ゆきの美人』は空調管理ができるマンションの1階を蔵にしているので、四季を通じて醸造できます。『天の戸』は、蔵の半径5km以内の米しか使いません。杜氏は芸術家肌、ラベルも描いています。山本さんのところの『白(純米吟醸「山本」白ラベル)』は、田んぼを手伝った店にしか売ってくれません」と、立て板に水で蔵元の物語を語ります。販売するのは浅野さんが感銘を受けた蔵元の酒、希望すればすべて試飲できます。
天洋酒店
能代市住吉町9-22
秋田地酒の伝道師ブログ
http://ameblo.jp/akitajizake
あわび? キノコ?「白神あわび茸」です
あわびのような肉厚感と、エリンギの歯ごたえを持つ「白神あわび茸」。白くて丸い笠が1つのポットに1つずつ。ずらりと並ぶ風景は、何とも可愛らしい生産現場です。「クセのない味なので、キノコが苦手な人でもきっと美味しく食べられると思います」と、安井重俊会長。国産のブランド豚肉で巻いて、塩・胡椒で味付けした「みたね巻」がオススメです。
マッシュ・ファミリー
山本郡三種町鵜川字一村竹51-1
http://www.mushfamily.co.jp
みたね産直隊が教える
「三種町」の美味しいモノ
「じゅんさいはきりたんぽ鍋に入れても美味しいです」と畠さん。
秋田県の沿岸北部に位置する三種町は、日本一のじゅんさいの生産地です。「じゅんさいは、5月から8月にかけて、小舟に乗った人が一つひとつ手で摘み取ります。美味しい食べ方も知ってほしいです」と、じゅんさい情報センターの畠譲さん。町内ではじゅんさい摘みを体験することもできます。
じゅんさい丼やみたね巻(1本300円)が食べられる「ぴっといん丼・丼」オーナー戸嶋諭さん。
生じゅんさいと、地元の梅漬けを練り込んだ
「秋田みたねうどん」500円
ぴっといん丼・丼
山本郡三種町鹿渡字西小瀬川236
日本海を堪能する八峰町
荒々しい日本海の恵みや、海と山の自然体験。
八峰町にはいくつもの楽しみ方があります。
年中無休の養殖あわび
秋田県の北西部に位置する八峰町は、日本海に面した町です。秋田名物のハタハタは、初冬になると産卵のために海岸に押し寄せます。もうひとつの海の特産はあわびです。2012年には白神山地の湧き水と、秋田県男鹿半島のこんぶで育てる「陸上養殖」が始まって、1年を通してあわびを味わうことができるようになりました。「養殖あわびは、砂を吸い込んでいないから、肝まで美味しく食べられるよ」と、日本白神水産の千場次丸さん(左上写真)。養殖施設は廃校になった小学校の校舎、千場さんの後ろに見えるのは、教室の黒板です。
八峰町の「八峰白神あわび」が食べられるお店は、「認定グルメ料理提供店」ののぼりが目印です。民宿、旅館、食堂やカフェなど、全12店舗が八峰町商工観光連携会議が認定したお店です。
日本白神水産
山本郡八峰町八森字古屋敷3
あきた白神体験センター
見つめているだけではもったいないほど、自然あふれる八峰町。「あきた白神体験センター」では、白神山地と日本海をフィールドにした、多彩な体験教室を実施しています。「白神山地を楽しむなら、ガイドさんの説明を聞きながら楽しむ散策やトレッキングを。マリンレジャーを楽しむなら、シュノーケリングやシーカヤックのコースがあります」と、“ノッポさん”こと田中洋輔さん。宿泊施設と温泉も併設されているので、四季折々の自然をゆっくりと堪能できます。
あきた白神体験センター
山本郡八峰町八森字御所の台53-1
http://www.town.happou.akita.jp/taiken
JALでいく
羽田からJALに乗り、1時間余りで秋田着。さらに車で90分ほど北へ移動すると、県境の藤里町に着く。さっそく自然アドバイザーの斎藤栄作美さんに白神山地を案内していただいた。該博な知識は勿論のこと、何より感心させられたのは「森に注ぐ深い愛情」である。山の冷気に包まれる中、木漏れ日を浴びて林床を歩むうち、心まで温まってきたように思えた。斎藤さんによれば、白神の表情は四季折々みな違うのだとか。してみると、後3回は来なきゃいけないな、真冬は遠慮したとしてもあと2回か! こちらの体力を考えるといささか心許なくなってきた。
木村政雄
カメラ/渡邊春信 ライター/岩熊純子 デザイン/北川原由貴 プロダクションマネージャー/池田大作 スペシャルサンクス/あきた白神広域観光推進会議
白神山地の全体の面積は、秋田・青森県あわせて約13万ha。このうち人為的な影響をほとんど受けていない原生的なブナ林16,971haが、世界自然遺産に登録されています。
かつての鉱山跡地、太良峡(だいらきょう)の紅葉。ブナや秋田杉など樹種も豊富で、四季を通じて自然美が楽しめる。
落葉樹林帯の秘密
森が語りかける声を聞け
白神山地には、約3000万年前の植生に近い、豊かなブナ林が残されています。自然の神秘を体感できる希少な森を、山のプロに案内していただきました。
白神山地は東アジアで最大規模のブナ林です。日本のブナ林の多くは伐採されて、スギなどの人工林となりましたが、人の影響を受けずに大規模なブナの原生林が保たれたのが白神山地。それが1993年、屋久島と共に、日本で初めてユネスコ世界自然遺産に登録された理由です。
なぜブナの原生林が貴重なのか。ガイドをしてくださった白神自然アドバイザーの斎藤栄作美さんが教えてくれます。
「スギは自分が葉を伸ばした下にしか、根を張ることができません。だから地面を抑えることができません。一方ブナ林のような落葉樹林帯は、葉・花・実など、森の生物が食べるものの生産者であり、その腐葉土の中の微生物は、森の果実の分解者です。腐葉土で濾過された水は渓流となって、魚を育みます。そのような循環が、落葉樹林帯にはあるんです」
さらに紅葉を楽しませてくれるのも、落葉樹林帯の恵みです。
「今年は台風の直撃を受けず、虫の大発生もなかった。去年はブナの実が大豊作だったので今年は山がゆっくり休める年。こいつら(森)は『いい年だな』と、ものすごく喜んでいると思うんです。だから紅葉も、数十年に一度と言えるくらい美しいんです」と斎藤さん。
森の声を聞く秘訣は、四季それぞれに10日間くらい山を訪ねて、「歩いて食べて泊まる」を体感することだそうです。
山は生きている
「『おめえの生きる道は山だ。だから学校なんか行かなくてもいい』と親父に言われましてね」と語る白神自然アドバイザーの斎藤栄作美さん。名刺には秋田白神ガイド協会会長、日本自然保護協会会員、白神世界遺産巡視員……とずらり。数多くの山岳ガイドがいる中でも、ピカ一の知識を持つ「山の博士」です。上の写真は「ブナの木の幹には、雨水を集める『樹幹流』があり、これは雨のときにしか見られない」と説明する斎藤さん。「どんな山でもひと目で性質がわかるし、迷わない」という言葉に感服しました。
ほぼ毎日、山へ入るという斎藤さん。味噌汁を作りながら、山の恵みをいただく意味を教えてくれます。
岳岱(だけだい)自然観察教育林でお弁当をいただきました。味噌汁の具は舞茸と山菜(水ぶき)でした。
白神山地世界遺産センター藤里館を拠点に、ガイドや遭難捜索副隊長も務める斎藤さん。プロの道具が揃っています。
白神山地まいたけ
「白神の舞茸は、新鮮な香りと風雅な味が持ち味」と、まいたけセンターの小山牧子さん。白神山地の広葉樹原木を用い、菌床栽培した舞茸は、大きなもので500gあります。2株で1500円ほど。天ぷらや肉巻き、かき揚げで食べるのがおすすめだそうです。
白神山地 まいたけセンター
藤里町粕毛字清水岱7-14
白神まいたけキッシュ
藤里町の福祉の拠点となる「こみっと」では、白神まいたけキッシュ(100円)がいただけます。「一般企業と同等の品質のものを作りたい」と生活支援員の市川奈津子さん。社会福祉協議会のHPから注文できます。
藤里町社会福祉協議会
山本郡藤里町藤琴字三ツ谷脇 40
http://fujisato-shakyo.jp/
ホテルゆとりあ藤里
大館能代空港から車で30分、藤里町湯の沢温泉郷に「ホテルゆとりあ藤里」があります。支配人の白土延子さんは以前、東京で働いていましたが、「樹齢数百年のブナの木に触れたら感動した」と、この地に根を下ろしました。露天風呂と温泉プールのある宿泊施設です。
ホテルゆとりあ藤里
山本郡藤里町藤琴字上湯ノ沢1-2
秋田の人々が集うとき
美味なる料理を食しつつ
秋田の酒で乾杯!
秋田県では日本酒、地ビール、ワインなど「秋田の酒による乾杯を推進する条例」が定められています。それほど秋田の酒が旨いのは、まず自然の恩恵を受けた天然水があること。酒造りに適した米の開発や、県内の蔵元に眠っていた酵母を採取して純粋培養した酵母(秋田蔵付分離酵母)で造った純米酒シリーズを発売するなど、各蔵元と県酒造組合、そして県醸造試験場とが協力した取り組みをしているからです。
秋田の日本酒について「秋田地酒の伝道師」である浅野貞博さん(次ページ)が語ります。
「ウチは秋田県の蔵元の酒しか置いていません。しかも『話ができる』蔵元の酒を置いています。一時期は秋田の蔵も経営が厳しい時期がありました。しかし2010年に、蔵元の若手5人が『NEXT5』を結成し、革新的な酒造りを開始してから、全国の目が秋田の酒に集まってきました。秋田の酒蔵には、それぞれドラマがあるんです。ウチは酒を売るのではなく、蔵を売る酒屋だと思っています」
NEXT5は酒造りの主要工程を5人で分担して、リレー方式に、醸造を行う「共同醸造プロジェクト」にも取り組んでいます。メンバーの半数が東京で働いた経験を持ち、地元にUターンしたときに、日本酒業界の低迷に危機感を感じた人たちです。彼らが造る酒は、ラベルのデザインから味わいまで、従来の日本酒のイメージを覆すものもあります。秋田から突如躍り出た、サムライ蔵元たちの次なる挑戦に期待が高まります。
旧奥羽本線トンネルが
天然の貯蔵庫 喜久水
能代市鳥屋場の旧鶴形トンネルに、喜久水酒造の吟醸酒が眠っています。温度は13プラスマイナス2、3度の範囲、湿度は80%に、自然に保たれるトンネル内は、酒の貯蔵庫には最適なのです。
「父がドイツのワイン工場を見学したとき、同じ醸造酒である日本酒もトンネル地下で貯蔵したらいいのではないかと考えて、ずっとJRに交渉し続けてきたんです」と語るのは7代目の平澤喜一郎さん。トンネル地下貯蔵庫(地下貯蔵研究所)の見学は、喜久水酒造のHPから申し込みできます。
喜久水酒造
能代市万町6-37
http://kikusuisyuzo.com/
天洋酒店 浅野貞博さん
秋田の日本酒にこだわった酒屋さんは、足繁く蔵元に通い、酒と一緒に酒造りの物語を伝承します。「『ゆきの美人』は空調管理ができるマンションの1階を蔵にしているので、四季を通じて醸造できます。『天の戸』は、蔵の半径5km以内の米しか使いません。杜氏は芸術家肌、ラベルも描いています。山本さんのところの『白(純米吟醸「山本」白ラベル)』は、田んぼを手伝った店にしか売ってくれません」と、立て板に水で蔵元の物語を語ります。販売するのは浅野さんが感銘を受けた蔵元の酒、希望すればすべて試飲できます。
天洋酒店
能代市住吉町9-22
秋田地酒の伝道師ブログ
http://ameblo.jp/akitajizake
あわび? キノコ?「白神あわび茸」です
あわびのような肉厚感と、エリンギの歯ごたえを持つ「白神あわび茸」。白くて丸い笠が1つのポットに1つずつ。ずらりと並ぶ風景は、何とも可愛らしい生産現場です。「クセのない味なので、キノコが苦手な人でもきっと美味しく食べられると思います」と、安井重俊会長。国産のブランド豚肉で巻いて、塩・胡椒で味付けした「みたね巻」がオススメです。
マッシュ・ファミリー
山本郡三種町鵜川字一村竹51-1
http://www.mushfamily.co.jp
みたね産直隊が教える
「三種町」の美味しいモノ
「じゅんさいはきりたんぽ鍋に入れても美味しいです」と畠さん。
秋田県の沿岸北部に位置する三種町は、日本一のじゅんさいの生産地です。「じゅんさいは、5月から8月にかけて、小舟に乗った人が一つひとつ手で摘み取ります。美味しい食べ方も知ってほしいです」と、じゅんさい情報センターの畠譲さん。町内ではじゅんさい摘みを体験することもできます。
じゅんさい丼やみたね巻(1本300円)が食べられる「ぴっといん丼・丼」オーナー戸嶋諭さん。
生じゅんさいと、地元の梅漬けを練り込んだ
「秋田みたねうどん」500円
ぴっといん丼・丼
山本郡三種町鹿渡字西小瀬川236
日本海を堪能する八峰町
荒々しい日本海の恵みや、海と山の自然体験。
八峰町にはいくつもの楽しみ方があります。
年中無休の養殖あわび
秋田県の北西部に位置する八峰町は、日本海に面した町です。秋田名物のハタハタは、初冬になると産卵のために海岸に押し寄せます。もうひとつの海の特産はあわびです。2012年には白神山地の湧き水と、秋田県男鹿半島のこんぶで育てる「陸上養殖」が始まって、1年を通してあわびを味わうことができるようになりました。「養殖あわびは、砂を吸い込んでいないから、肝まで美味しく食べられるよ」と、日本白神水産の千場次丸さん(左上写真)。養殖施設は廃校になった小学校の校舎、千場さんの後ろに見えるのは、教室の黒板です。
八峰町の「八峰白神あわび」が食べられるお店は、「認定グルメ料理提供店」ののぼりが目印です。民宿、旅館、食堂やカフェなど、全12店舗が八峰町商工観光連携会議が認定したお店です。
日本白神水産
山本郡八峰町八森字古屋敷3
あきた白神体験センター
見つめているだけではもったいないほど、自然あふれる八峰町。「あきた白神体験センター」では、白神山地と日本海をフィールドにした、多彩な体験教室を実施しています。「白神山地を楽しむなら、ガイドさんの説明を聞きながら楽しむ散策やトレッキングを。マリンレジャーを楽しむなら、シュノーケリングやシーカヤックのコースがあります」と、“ノッポさん”こと田中洋輔さん。宿泊施設と温泉も併設されているので、四季折々の自然をゆっくりと堪能できます。
あきた白神体験センター
山本郡八峰町八森字御所の台53-1
http://www.town.happou.akita.jp/taiken
JALでいく
羽田からJALに乗り、1時間余りで秋田着。さらに車で90分ほど北へ移動すると、県境の藤里町に着く。さっそく自然アドバイザーの斎藤栄作美さんに白神山地を案内していただいた。該博な知識は勿論のこと、何より感心させられたのは「森に注ぐ深い愛情」である。山の冷気に包まれる中、木漏れ日を浴びて林床を歩むうち、心まで温まってきたように思えた。斎藤さんによれば、白神の表情は四季折々みな違うのだとか。してみると、後3回は来なきゃいけないな、真冬は遠慮したとしてもあと2回か! こちらの体力を考えるといささか心許なくなってきた。
木村政雄
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