大阪府岸和田市長に市の魅力やまちづくりのビジョンをお伺いしました。
岸和田市長
信貴 芳則（しぎ よしのり）
岸和田市
【面積】77.55 平方km 【人口】199,444人 【世帯数】85,898世帯
（平成27年9月1日現在）
子育てのしやすい環境整備で、定住促進
岸和田は、だんじりを中心にまわっています。昔は、祭りの時には学校も休みになりましたし、大人たちは仕事を休んで祭りに参加しました。
私も、物心着いた頃から祭りに参加していましたね。26、27歳の頃からは、だんじりの中でも要となる前梃子を持つようになり、 37歳までやっていました。実はその年に病気をしまして肺動脈が破裂して一時、意識不明の植物状態になっていたのです。1998年9月のことでした。倒れたときの輸血量は8リットル。奇跡的に意識を取り戻したのが、倒れてから2か月後。3か月後には立てるまでに回復しました。社会復帰したのが2001年5月のことです。今ではほぼ後遺症のない状態で、健康な生活を送れるようになりました。
だんじりに施された彫刻も、岸和田の文化資源の一つです。だんじりを近くでよく見てみると、花や鳥、武士などが実に緻密に、そして精巧に彫られています。伝統工芸の世界で、後継者不足の声が聞かれますが、弟子入りする若者も多く、今も伝統が受け継がれています。
農業にも力を入れています。今年5月、包近町の桃が「世界一甘い桃」としてギネスに登録されました。
包近町は大阪府内最大の桃の産地です。旬を迎えると、例年、包近桃出荷組合から約120トンの桃が出荷されます。ギネスに認定された「マルヤファーム」の「まさひめ」という桃の糖度は22・2度です。肥料配合に独自の工夫を凝らして、上品な甘さの桃を完成させたのです。おかげで今年は包近町の桃の販売も好調でした。
漁業も盛んです。岸和田市の漁獲高は大阪府の中で第1位で、特徴的なのは、巾着網での漁。岸和田漁港・春木漁港の水揚げ高は、府下全体の75パーセント占めており、大阪府最大。特産はマイワシ、シラスやアナゴ。ちりめんは味わい深く、岸和田のお土産としてもおすすめです。
現在の市の取り組みとしては、定住促進を方針にしています。人口はやや減少しているのですが、三世帯同居率が大阪府内でもトップクラスというのが特長です。並んで出生率も大阪府内でトップクラス。
岸和田で子供を生み育てる人が増えるよう、市民病院の産科をより充実させ、保育園の待機児童の解消や子供を犯罪から守るために通学路巡回パトロール事業にも力を入れ、様々な面から子育てのしやすい環境づくりに取り組んでいます。
岸和田だんじり祭2013の経済波及効果
関西の一地方のお祭りだっただんじり祭ですが、マスコミで取り上げられ、一気に全国区のお祭りに発展してきました。今では試験曳きから本祭までの3日間で約60万人が賑わうお祭りです。経済波及効果は、泉州地域では約39億8,900万円、開催地元の岸和田市では約24億9,400万円という経済波及効果があったことが示されました。（2013年）
●消費支出の一例
・飲食費 ⇒ 約22億4,200万円
・土産代 ⇒ 約 7億3,300万円
・交通費 ⇒ 約 3億6,000万円
・運営費 ⇒ 約 3億 700万円
・宿泊費 ⇒ 約 1億6,100万円
・衣装代 ⇒ 約 6,800万円
・有料入場者（チケット代）
⇒ 約 3,280万円
●にっぽん日和で紹介した
「女の子のだんじりヘアー編込み」の
消費支出⇒約1700万円
※参照：公益財団法人 堺都市政策研究所
「岸和田だんじり祭り2013の経済波及効果」
