2016年08月24日10時00分

市長からのメッセージ  奈良県奈良市長に市の魅力やまちづくりのビジョンをお伺いしました。

市長からのメッセージ

奈良県奈良市長に市の魅力やまちづくりのビジョンをお伺いしました。


奈良県奈良市長 仲川 げん

「未来志向」の政策で奈良市を活性化する



 私は「未来志向」を大切にしています。2009年に奈良市長に就任した時、私は33歳でした。政策の刷新や新しい街づくりに対する市民の期待が、若き市長を生み出したのだと思っています。

 そこで始めたのが、未来志向の先行投資。そのうちの一つが、県外の人々を呼び込んで、一緒に奈良の街を盛り上げていく取り組みです。12年から始めた起業家支援事業では、県内外の若い起業家が商店街へ出店するための手助けをしています。若いアイデアを実現した、これまでになかった新鮮な店舗が増え、事業開始以来、街は着実に活性化してきました。中心市街地の23商店街の空き店舗率を見てみると、06年は6・9 %だったのに対し、事業開始後の13年には4 %に低下。店舗数にして約50軒増加したのです。この成功をもとに、今年度からは、新しいビジネスの創出と起業を目指す「プロデューサー育成研修プログラム」なども企画しています。

 奈良と言えば歴史の街、というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、奈良時代にはシルクロードを通じて世界各国の文化や文明が届けられ、刺激に満ちた国際都市として繁栄していました。仏像や社寺も「モノトーン」ではなく、もっときらびやかだったと聞きます。ずっと奈良で暮らしていると、ついつい固定観念に支配されてしまいがちですが、視点を変えることが大事です。
 私は奈良の生まれですが、数年間、東京でサラリーマン生活を送ったことがあります。外に出てみて初めて、奈良の良さを発見できるようになり、その経験から、奈良の魅力のアピールには外部の人の視点が必要だと感じたのです。

 未来志向の政策を進めるのと同時に、伝統を発掘し、アピールしていくことも重要です。実は奈良は、清酒発祥の地。室町時代に菩提山正暦寺で、酒粕と酒に分ける技術を僧らが確立し、透明度の高い「僧坊酒」として清酒を製造しました。そのため、正暦寺は「日本清酒発祥の地」と呼ばれるようになったのです。今年5月には、同じく発祥の地と言われる伊丹・出雲と組んで「清酒・日本酒発祥の地フォーラム」を開催しました。
 今後は、先日閉鎖が決まった、明治時代に建てられた奈良少年刑務所のような古い資産をどのように活かすか、しっかりと取り組んでいきたいですね。




奈良にゆかりのある歌

「奈良の春日野」(1965 年)1965 年に発表された吉永小百合さんの楽曲。

「昨日・京・奈良、飛鳥・明後日。」(1989 年)さだまさしさんが歌う、修学旅行の定番曲。

「ムジカ」(2009 年)谷村新司さん作詞・作曲・歌による平城遷都1300 年祭のテーマソング。


奈良の「寝倒れ」

「着倒れ」「食い倒れ」と評される京・大阪に対して、奈良は「寝倒れ」と言われることがあります。これは「寝てばかり」と揶揄する意味ではなく、江戸時代、道端の鹿の死骸を興福寺に依頼して処理する際、費用は敷地の住民が負担しなければならいと決められていたため、早起きした住民が寝坊をした他人の敷地に移動させ、割を食わせたことに所以するそうです。現に奈良県の平均睡眠時間は神奈川に次いで2番目に短く、「寝てばかり」と誤解されたイメージを払拭するため、市を挙げて観光振興に力を注いでいます。

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